ホレンコ
北海道マスコミ伝道センター
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巻頭言 2025年6月号
「神に向かって起き上がる」
~神に従う人は七度倒れても起き上がる~ (箴言24:16)
日本改革派教会札幌教会牧師 貫洞賢次
「七転び八起き」ということが言われますが、この箴言の言葉は根本的に違う意味を持っています。
「神に従う人」は、神に向かって起き上がります。神から離れた心が、キリスト・イエスに守られて、とにかく神へと近づいていきます。キリストがおられなければ、決してありえない現実がそこにあります。
「神に従う人」は意訳です。直訳は「正しい人」です。福音の下における正しい人です。キリストがまったくの罪人を、神に向かって生きる正しい者としてくださいます。十字架のイエスの隣にいた犯罪人の心が、神に向かって起き上がります。イエスの名を呼んで、「あなたの御国においでになるときには、わたしを思い出してください」と言い出します。(ルカ23:42) キリスト・イエスがその人の心を、神に向かって起き上がらせます。「あなたは今日わたしと一緒に楽園にいる。」(ルカ23:43)。
確かにキリストは、人の心を神に向かって起き上がらせてくださいますが、同時に倒します。キリストに出会ったので、パウロは倒れます。神に対して正しい者として、人にも負けないように精進し、学んでいた人です。彼は倒れて、主の御名を呼びます。「わたしはなんと惨めな人間なのでしょう。死に定められたこの体から、だれがわたしを救ってくれるでしょうか。」(ローマ7:24)しかし、キリストが起き上がらせてくださいます。「わたしたちの主イエス・キリストを通して神に感謝いたします。このように、わたし自身は心では神の律法に仕えています・・・」(ローマ7:25)心の進む道が定まります。
人の心と考えの進む道があります。その道は、その人自身の目には正しく見えます。「人間の道は自分の目に正しく見える。」(箴言21:2)神に従う人は、その正しさに満足しないように導かれます。そして、倒れるほどにますますキリストを知って、神に向かって起き上がります。祈りによって神に近づく道です。「主はすぐ近くにおられます。・・・何事につけ、感謝を込めて祈りと願いをささげ、求めているものを神に打ち明けなさい。そうすれば、あらゆる人知を超える神の平和が、あなたがたの心と考えとをキリスト・イエスによって守るでしょう。」(フィリピ4:5~7)